日本刀剣鑑定書

【脇差】
無銘【三代・直江志津兼友】

三重県 第45170号

刃長 反り
43.0cm 0.9cm
元幅 先幅 元重
2.74cm 2.23cm 0.62cm

刃文 状態 鍛え 姿 総評
10 8 8 9 8 8
時代 室町時代中期
美濃
系統 直江志津系
帽子 地蔵風に乱れ込んで焼詰める
造り 菖蒲造り
鍛え肌 板目肌よく錬れ白け映り立つ
刃文 小互の目に尖り互の目交じる
概要
古刀期の美濃鍛冶・志津系の刀工群は志津三郎兼氏を祖として代々繁栄した一大勢力で、一門からは二代兼氏の他に兼俊・兼友・兼延・兼信等が育ち、同銘が数代に亘って続いた。尚、南北朝時代中期以降の弟子一門を「直江志津」系と呼称しており、各代共に兼氏の伝統技法を継承した作を残している。
所見
本作は磨上無銘の脇差で、製作年代は体配及び地鉄鍛錬法の観点から室町時代中期(長禄頃)の作と考えられる。鍛えは板目肌よく錬れて詰み、地景入り淡く白け映り立つ。刃文は匂本位の小互の目乱れに尖り互の目を交じえた作風を示し、直江志津派を継承した、同派三代兼友の作と鑑みられる一口である。